監視カメラは「監視すること」が目的となっています。さらにカメラで撮影した映像は個別の顔の認識が可能なものであるため、「プライバシーの侵害にあたるのでは?」と批判される可能性もあります。そこで監視カメラは法律上問題はないのかどうか、詳しくご紹介します。

監視カメラは法律上問題はない

監視カメラは監視することを目的に設置されるものですが、犯罪を抑制、また犯罪が発生した際にその映像が証拠となる役割を持っています。監視カメラで撮影をすること自体を禁止する法律はありません。ただし、以下の法律に抵触する可能性がある場合は注意が必要となります。

個人情報保護法

個人情報の取り扱いに関する法律である、個人情報保護法では、個人のプライバシーを侵害する行為であると見なされると法律違反になります。例えば監視カメラで撮影した映像をプリントアウトして掲示した時に、撮影された本人の了承を得ていないと違反になります。

軽犯罪法

日常生活における、道徳規範に違反する行為を罰する法律が軽犯罪法です。33の行為が対象となっています。監視カメラに関する行為としては、窃視の罪(のぞき)があたります。盗撮目的での監視カメラの設置は法律違反になるということです。

迷惑防止条例

各都道府県が設置している条例が迷惑防止条例です。痴漢行為や押し売りといった行為を禁止する条例ですが、ここに盗撮が含まれています。

監視カメラでの撮影に明確な目的があれば法律違反にはならない

黙って撮影をすること自体がプライバシーを侵害しているのでは、と考える人もいるかもしれません。ただし監視カメラの撮影目的が明確であれば、犯罪行為に加担しているわけではないと判断されますので、法律違反にはなりません。相手に知られないように小型カメラを使用したり、外見からカメラが設置されていると分からないようにしている場合、法律違反になるのではないか判断が難しいところです。ただしストーカー行為の証拠を集める必要がある場合や、撮影することで犯罪解決につながるのであれば、撮影行為自体は法律違反とはなりません。

監視カメラを設置する場合はきちんと表記することが必要

監視カメラで撮影する場合、その映像は個人の顔が判別できるものであることから「個人情報」の取り扱いとなります。つまり撮影した画像の取り扱いについては十分に注意が必要です。「なぜ撮影をするのか」「撮影した画像はどういった場合に使用するのか」といった目的を明確にし、その目的以外には使用しないことを公にすることが必要なのです。そのためカメラが設置されていること、撮影をしていることを看板などで表記しなければなりません。

撮影した画像は半年以内に破棄することも必要

個人情報である映像を保有する場合、個人情報取り扱い事業者として届出をしなければいけないことになっています。ただし情報を半年以内に破棄している場合は対象とはなりません。そのため監視カメラの画像は定期的に破棄して手元に残さないようにしましょう。

画像データの保存については専門業者に依頼することも考えよう

監視カメラを何台も設置している場合、カメラのメンテナンスも必要なので画像データについての管理まで行き届かないことも考えられます。画像データの管理について、保守まで請け負っている専門業者に依頼すれば問題なく削除してもらえます。そのため、古いデータが残っていて個人情報保護法に抵触するということもありません。監視カメラの性能が向上し、プライバシーについても問題とされることが増えてきていますので、設置だけでなく管理についても十分に注意しましょう。